理科教員のための実践教養講座を実施しました。
1月14日(土)高等学校の理科教育に携わっている先生方に発展的知識とスキルを身につけていただくことを目的として「理科教員のための実践教養講座」を実施しました。本年度は、生命医療薬学分野の井上裕子教授と岡田直子講師の指導の下、「ヒト正常組織の構造観察と患者由来組織の観察」のテーマで実施し、関東地区の理科の先生16名が参加しました。最初に小腸と膵臓の組織スライスをヘマトキシン‐エオジン染色で染色し光学顕微鏡で観察、その後、抗原抗体反応を利用した蛍光免疫染色をし、オールインワン蛍光顕微鏡で蛍光の状況を観察しました。参加者は、目的の細胞が蛍光を発している様子に実験の手ごたえを感じていました。 午後には、正常細胞と患者由来の細胞の違いを比較し、組織や細胞の病変に対する知識を広げました。
本講座は、平成22年度、23年度は「有機化合物の構造決定」、平成24~26年度は「遺伝子・機能形態・ゲノム」、平成27年度は「生薬(薬木)の有効成分の抽出と化学構造式の決定」、平成28年度は「TOF-MS(質量分析計)を用いたペプチドマスフィンガープリント法によるタンパク質の同定」、平成29年度は「GCMSを用いた犯罪捜査に役立つ科学」、平成30年度は、「 麻薬性鎮痛薬と解熱性鎮痛薬(マウスへの侵害刺激に対する薬物の作用) 」、令和元年度は「300年の歴史的経験に基づいた硝石づくりの体験…土壌中の硝化細菌による硝酸イオン形成の検証…」、令和3年度は「病原体を抑制、不活性化する物質とその科学」の研修を実施しており、多くの高等学校の先生が研修を積んでいます。