戸田乳業新商品開発プロジェクトの一環で、秩父地域の関連施設を見学しました。
令和5年2月21日(火)、強風が吹き荒れる中、秩父郡小鹿野町の有限会社戸田乳業新商品開発プロジェクト(ホエイを活用した飲料開発)の一環で、本学学生5名を含む関係者計13名が現地見学を行いました。
本プロジェクトは、さいしんコラボ産学官様と埼玉縣信用金庫秩父支店様が、秩父地域(小鹿野町)における新商品開発中の企業様への協力を行っている中で、本学と連携実績がある「森のサイダー」の製造業者戸田乳業様の新商品開発・販売等の協力依頼を受けるかたちでスタートしました。
今回の訪問の目的は、SDGsの取り組みとして、秩父市内の秩父やまなみチーズ工房様が小鹿野町の吉田牧場様の生乳を原料としてチーズを製造する過程で生じるホエイを活用した飲料を開発中とのことで、薬学の専門的見地から、他の製品にはない優位性がある商品作りをするために、学生等を交えて現地に赴き、新商品開発のプロセスを見学することにしました。
はじめに、秩父やまなみチーズ工房様、続いて、ちちぶ路吉田牧場様での搾乳体験、最後に戸田乳業様の工場見学を行いました。
チーズ作りの製造工程を初めて見学した学生等からは、「ホエイはどれくらい甘いのか」、「ホエイをどのようなものに活用しているのか」等ホエイに関する素朴な疑問が投げかけられ、廃棄されるホエイに興味津々の様子でした。
昼食を挟んで訪ねた吉田牧場様では、乳牛の巨大さに驚かせられながら、慣れない手つきで食品加工の段階で廃棄されるゴボウやもやし、りんごの搾りかす等を混ぜた牧草の餌やりや、9歳のジャージ牛の搾乳体験を行いました。吉田様より、乳の出が悪くなった乳牛は役目を終え、3月には食用肉として出荷されるという話をお聞きし、改めて命をいただくことへの感謝の気持ちが湧いてきました。
最後に、戸田乳業様の工場では、洗瓶からオートメーション化されている一連の流れ作業の他今も目視で行っている検品の様子等普段目にすることができない製品化までの製造工程や管理の仕方を見学することができました。またホエイを活用した新商品の改良を加えた飲料の試飲会も行いました。プレーンは、更にとろみが増し、ブルーベリーは紫芋で着色され、よりブルーベリーを彷彿させる飲料に仕上がっていました。カボスとプレーンの見分けがつかなかった課題は、カボスをほんのり着色することで解消され、3種類の異なる商品だということが誰の目にも分かるようになっていました。販売時には3種類を6本セットにすることも検討されているようです。
参加した学生さんからは、「全てが楽しかった」「色々と考えさせられることもあり、課題が明確になった」「秩父に来るのは初めてだったので参加出来て良かった」「搾乳したばかりのミルクが想像以上にあったかかった」等多くの感想が寄せられました。
※本学は平成30年3月14日、中小企業を対象として、地域社会における技術開発、技術教育等を支援するとともに、新事業の創出等地域の産業振興に寄与することを目的に、埼玉縣信用金庫(さいたま市)と同信金が産学官連携のために設立した一般社団法人「さいしんコラボ産学官」と産学連携協定の締結をしました。
【協定の内容】
- 民間企業等との共同研究、受託研究等
- 企業の技術相談に関する事項
- 講演会、セミナー、見学会等
- その他目的達成のための必要事項