柏厚生総合病院との共同研究が日本環境感染学会誌に掲載されました。
柏厚生総合病院との共同研究が日本環境感染学会誌に掲載されました。
本共同研究は、日本薬科大学と上尾中央医科グループとの間に締結された「レジデント実習」に基づき、本学臨床薬学分野令和元年度卒論生松本遥奈さんが卒業研究の一環としてデータ収集し松木祥彦薬剤科長の御指導のもと解析した結果です。
【論文情報】
Geriatric Nutritional Risk Indexを指標としたバンコマイシンによる腎機能障害発現割合と血中トラフ濃度の比較検討 日本環境感染学会誌 35 (6): 223-232, 2020
【ポイント】
・抗MRSA薬バンコマイシンの血中濃度トラフ目標治療域は10~20μg/mLとされており、20μg/mLを超えると腎障害のリスクが高まるといわれていますが、治療効果を得るために20μg/mLを超えて投与量を増やしたいケースがあります。
・高齢者の栄養評価指標であるGNRIが68以上の患者ではトラフ値が20μg/mL未満の群と20~25μg/mLの群で腎障害発現率に有意差がみられませんでした。
・GNRIに着目しトラフ値を25μg/mLまで許容できる患者群を特定できたことで、バンコマイシンのより積極的な投与設計と治療成績の向上が期待できます。
【本件に関するお問い合わせ】
日本薬科大学 実務薬学分野
佐古兼一
メール : sakok@nichiyaku.ac.jp