「紙農本草経」(しんのうほんぞうきょう)著者不明 森立之による復元本(1854)
中国の薬物書として最も古いもの。紀元前2800年頃、はじめて諸国をめぐり、薬を探し歩いたという伝説上の皇帝神農の名をつけているが、本書の原本は3世紀頃のものといわれ、早い時代に失われている。著者は不明。後世の本草書に引用された部分を拾い出して復元が行われ、歴史上5通りを越える復元本が出ている。
森立之(1807-1886)は先ず5世紀に書かれて、すでに失われていた陶弘景の「神農本草経集注」を復元し、その文から本書を復元した。もっとも信頼されるものとされている。記載は簡潔であるが、きわめて正確。