「金匱要略」(きんきようりゃく)

原著・張仲景(ちょうちゅうけい) 3世紀

「傷寒論」の姉妹編といわれる本書に記載された漢方処方は、日本の漢方で最も使用頻度の高い古典といわれている。「傷寒論」が急性熱病を対象としているのに対し、本書は種々の内蔵病、精神神経病、婦人病など、主として慢性疾患の治療を対象として記述したもので、今日でも重視されている。展示のものは明の兪橋本と言われるものから、江戸時代中期に日本で覆刻したもの。巻末に吉野家徳兵衛板行の銘がある。